どうも、元引きこもりブロガーのサイトウです。
今回は、対人恐怖をこじらせて10年引きこもった僕が、引きこもり状態を抜け出すきっかけになったエピソードを2つ紹介します。
脱引きこもりには、きっかけを作ることが大切ですが、対人恐怖があるとなかなか外に出て行きづらいですよね。
僕の経験が、無理せず外に出て行くためのヒントになれば幸いです。
引きこもっていた当時の状態
「コンビニは通える引きこもりたち」という本によると、「引きこもり」と呼ばれる人の9割は、近所のコンビニくらいなら外出できるらしいです。
引きこもっていた当時の僕も、完全に自室にこもっていたわけではなく、月に数回は、買い物や図書館などに出かけていました。
外に出ては、また引きこもる
とくに、引きこもりはじめて5、6年目以降は、短期のアルバイトをやってみたり、青春18きっぷで旅をしてみたり、かなりアクティブに活動をはじめます。
でも、結局引きこもり状態を抜け出すことはできませんでした。
「引きこもり体験記」でお伝えしたとおり、外の世界に出て行きたい気持ちよりも、安全で快適な自室にとどまりたい気持ちが強かったからです。
とにかく人が怖い
当時は対人恐怖が強く、外に出るだけで疲れてしまう状態でした。
- 電車に乗るとみんなが僕のことを見てくる気がして、毎回パニック
- レジでお札しか出せなくて、小銭がものすごい勢いでたまっていく
- 歯医者に電話するのが怖くて、歯が痛くて眠れなくても我慢して手遅れになる
そんな状態から抜け出せたのは、2つの大きなきっかけがあったからです。
【脱引きこもりのきっかけその1】入院・デイケア
一つ目のきっかけは、入院とデイケアです。
まずは「対人恐怖をなんとかしたい」と思って、精神科に通うことにしました。
引きこもり始めた時期にも病院に通っていたんですけど、まったくよくなる気がしなくて、すぐにやめてしまったことがあります。
今度は、ちゃんと通い続けました。
でもやっぱり、対人恐怖はよくならない。
先生からも、「薬はあくまで補助的なもので、結局は人の中に身を置いて、少しずつ慣れていくしかないよ」と言われていました。
とはいえ、そもそも人が怖くて引きこもっているわけで、人の中に出て行くことが難しい。。。
内心、「それができたら苦労しないよ」と思ってました。苦笑
そんな僕でも、一つだけ、「やってみたい」と思えることがありました。
それが入院です。
病院という守られた環境の中なら、人の中に身を置くことができるのではないか。
先生に相談して、入院させてもらえることになりました。
8か月の入院生活
結果的に大きなきっかけになった入院ですが、はじめから順調だったわけではありません。
初日はとにかく不安で不安で、布団にもぐってひたすら横になっていました。
「やっぱりやめとけばよかった」と、後悔しっぱなしでした。苦笑
それが、2週間経つころにはデイケアに参加し始めて、3か月経つころには相部屋に移って、半年経つころには、談話室にすっかり入り浸るまでに。
退院するころには、もう居心地が良すぎて、やっと家に帰れるのにホームシックになりそうでした。笑
入院・デイケアで起こった変化
入院とデイケアによって、劇的な変化が起こりました。
- 外出が特別なイベントではなくなった
- あれだけ苦手だった電車に、気軽に乗れるようになった
- 両親との関係が良くなった
引きこもりにはいくつか定義がありますが、ほとんど自室から出ない「狭義の引きこもり」からは抜け出せたといえます。
入院・デイケアで学んだこと
入院・デイケアでは、自室にこもっているだけでは得られなかった気づきがたくさんありました。
- はじめは不安な場所も、慣れれば居心地がいい場所に変わる
- 無理に社交的にふるまう必要はない
- 話してみると意外といい人が多い
- 人にはそれぞれ事情がある
- 苦手を克服するのではなく、結果として気にならなくなる―
これらの考え方は、今でも大切にしています。
その後の生活
退院後も、デイケアに通いながら生活のリズムを作っていきました。
毎日楽しかったです。
デイケアは、すっかり自分の居場所になっていました。
「何かあったら、また戻ってくればいい」
そう思える場所ができたことは、脱引きこもりの過程でめちゃくちゃ大きかったです。
【脱引きこもりのきっかけその2】シェアハウス生活
脱引きこもりの大きなきっかけ、2つ目は、シェアハウス生活です。
狭義の引きこもりからは抜け出せたものの、相変わらずデイケア以外ではほとんど人と関わらない生活が続いていました。
「シェアハウスで暮らしてみよう」と思ったのは、とあるオフ会での失敗がきっかけです。
勇気を出して参加してみたものの、まったく話せず、最後まで一人ぽつんと座っているというみじめな時間を過ごしました。
みんなコミュ力高いし、話は面白いし、ぜんぜん通用しないじゃないか。
もっと人との関わりを増やすことから始めよう。
シェアハウスなら、入院したときのように、常に人の気配を感じながら生活できます。
ニートや引きこもりなど、社会とうまく関わることが難しい人も歓迎してくれるところが見つかったので、住んでみることにしました。
延べ1年間のシェアハウス生活
僕がお世話になったシェアハウスは、脱引きこもりには理想的な環境でした。
なんというか、お互いの距離感がちょうどいいんです。
基本的には、みんな自由に過ごしていて、気が向いたら話す。
たまにみんな集まってご飯を食べたり出かけたり。
はじめてのシェアハウスということもあって不安はありましたが、じきに慣れて大事な居場所になりました。
シェアハウス生活で起こった変化
シェアハウスに引っ越してからの1年は、ほんとにいろいろあって、急に人生が加速したような感覚がありました。
- いくつかバイトをやってみたり
- ビジネスの高額コンサルを受けたらマルチ商法だったり
- いったん一人暮らししてみたり
- 失恋したり
- 本格的にWebライターを始めたり
- シェアハウスの運営を手伝ってみたり
- 自己分析してみたり
- 仕事を頑張りすぎてうつになったり
- 移動に疲れて原付を買ったら思いのほか楽しかったり
正直、楽しことばかりではなく、何度も心が折れそうになりました。
コロナがなかったら、実家に帰っていたかもしれません。
それでもなんとか乗り越えられたのは、シェアハウスという安心できる場所があったおかげです。
シェアハウス生活で学んだこと
さまざまな人と接する中で、自己理解が深まり、価値観は大きく変わりました。
- 苦手を無くすのではなく得意を伸ばそう
- 無理に話さなくていい、話したいときだけ話せばいい
- 頑張って働かなくてもいい
- 人に嫌われても意外と大丈夫
- とにかくまずはきっかけを作ろう
- 居場所があると冒険できる
- うまくいかないときは発想を変えよう―
このブログを通して伝えていきたいことはたくさんあります。
その後の生活
僕は今、ド田舎にある別のシェアハウスにいます。
住む場所や働き方など、自分に合った生活スタイルを模索している最中です。
このブログでは、対人恐怖や引きこもり・ニートに悩む人に向けて、無理せず楽しく生きる方法を発信していきます。
おわりに
脱引きこもりのためには、きっかけを作ることが大切です。
「引きこもり必見の映画『百円の恋』」でもお伝えしたように、人との関わりが生まれると、予想外の出来事が次々に起こって、状は嫌でも変わります。
まずは、安心できる居場所を作るところからですね。
「いざとなったら、また戻ればいい」と思える場所があると、強くなれます。
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